かつては非常にシンプルだったMacのラインナップも、最近はかなり増えてきました。でも、初めてMacを買う方にとっては、このラインナップの多さが選びづらさとなってしまいます。
そこで今回は、今から新しいMacを購入予定の方向けに「自分に合ったMacの選び方」を、現在発売されているMacを具体的に示しながらご紹介しましょう。
作業する場所別の選び方
以前は性能面でデスクトップ>ノートパソコンという傾向がありましたが、現在はこの差も縮まり、余程負荷の高い作業でもない限りノートパソコン型でも十分対応可能です。
よって、どちらを選ぶべきか迷った時は、”そのMacをどこで使うか”を考えれば大丈夫です。
自宅や職場でしか使わないならデスクトップ型
自宅や職場などで1カ所に固定して使うなら、性能に対するコストパフォーマンスや排熱面で優れるデスクトップ型がお勧め。
デスクトップ型Macは、安価な機種でもRAMの最大搭載量がノートパソコン型より多い為、グラフィック系などRAM容量が重視される作業では特に有利です。
一方、ノートパソコン型と違いバッテリーを搭載していない為、停電に弱いという弱点もあります。
停電による電源断が原因のデータ消失やハードウェア故障を避けたい場合は、据え置き運用でもノートパソコン型の方が良いでしょう。
持ち運んだり、引っ越しが多い方はノートパソコン型
ノートパソコン型MacのMacBook・MacBook Air・MacBook Proなら、バッテリー内蔵で気軽に持ち運ぶことができます。
外出先で使うだけでなく、家や職場でも部屋と部屋の行き来が多いなら、ノートパソコン型の方が便利。
また、引っ越しが多いという方も、ノートパソコン型Macなら鞄に入れて運べば良いので、面倒な荷造り梱包も不要です。
デスクトップ機のように使える”クラムシェルモード”も標準搭載されているので、デスクトップ型と迷ったら、とりあえずノートパソコン型を買っておくというのも1つの選択肢です。
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なお、同じ名前の機種でも、世代によって大きく性能が異なることも少なくありません。
特にMacBook Airの場合、安価な2017年モデルと最新の2018年モデルでは性能や搭載端子等に大きな差があるので、購入時は注意してくださいね。
Word・Excel・PowerPointで事務作業をやりたい
- デスクトップ型:Mac mini(2018)/ iMac(21.5inch,4K,2019)
- ノートパソコン型:MacBook(2017)/MacBook Air(2018)/MacBook Pro(13inch,2017以降)
MicrosoftのWord・Excel・PowerPointは、多くの企業や教育機関で事務作業三種の神器となっています。
なかでもWordとExcelは事務系かどうかを問わず、社会人の必須スキルと言っても過言ではないでしょう。
そんなOffice系アプリですが、Macでは基本的にどの機種を選んでも、(余程重たいデータでもない限り)特に動作に不満を感じることはありません。
ただ、出来るだけ長く現役で使いたいということであれば、予算の許す限りで最も性能の高いマシンを選ぶのがお勧めです。
短め(3分程度)の動画を編集したい
- デスクトップ型:Mac mini(2018)/ iMac(21.5inch,4K,2019)
- ノートパソコン型:MacBook Air(2018)/MacBook Pro(13inch,2017以降)
最近はiPhoneやiPadでも簡単に動画編集ができますが、Macの大きな画面の方が、より楽に作業を進めることが可能です。
動画の編集・エンコードは割と負荷の高い部類に入る作業ではあるのですが、2〜3分程度の短い動画なら、MacBook Air(2018)などのミドルレンジ機(価格や性能が中程度の商品)でも問題ないでしょう。
再生時間の長い動画や手の込んだ動画を編集したい
- デスクトップ型:iMac(21.5inch,4K,2019)iMac(27inch,2019)/ iMac Pro /Mac mini(2018)
- ノートパソコン型:MacBook Pro(15inch,2018)
一方、より手の込んだ編集をしたい、あるいは何十分もの再生時間の動画をエンコードしたいという方は、ある程度マシンパワーに余裕のある機種がお勧め。
デスクトップ型ならiMac(2019)やMac mini(2018)、ノートパソコン型ならdGPUを内蔵したMacBook Pro(15inch,2018)がベストです。
13inchクラスのノートパソコン型Macを使いたい場合は、2016年以降のMacBook Proを選び、Thunderbolt3ケーブルで別売りのeGPU(外付けGPU)を接続するという手もあります。
ただし、コストパフォーマンスという点では、13inch+eGPUより15inch単独の方が優れているケースが多いので、その辺りは予算や使い方も考慮しつつ決めた方が良いでしょう。
動画をできるだけ短時間で編集・エンコードしたい
- デスクトップ型:iMac(27inch,2019)/ iMac Pro /Mac mini(2018)
- ノートパソコン型:MacBook Pro(15inch,2018)
仕事かプライベートかを問わず、毎日のように動画を制作するという方は、容量の大きな動画も短時間でエンコードできるハイスペック機を選ぶのがお勧め。
有名YouTuberの中にも、iMac Proやそれに近いスペックのMac/PCを使っている方は大勢います。
ただし、Macの場合、その機種の最高スペックの物を入手する為には、AppleOnlineStoreでCTO(注文後にカスタマイズ品を生産するシステム)を利用して購入する必要があります。
動画編集用途なら、こちらに挙げた機種でCPUはCore i7またはi9に、RAMを32GB以上にすればOK(iMac(27inch,2019)のみ、ユーザーがサードパーティ製の対応RAMを増設することも可能です)。
また、動画編集では一時ファイルが内蔵ストレージを消費することも多いので、高速なSSDを選び、容量も可能な限り大きなものにしておくと良いでしょう。
とにかく重量の軽いマシンが欲しい
- ノートパソコン型:MacBook(2017)
持ち運びをする場合、マシンの性能以外に大切な要素が「重量」。
MacBook Airの登場以降、MacもWindowsもラップトップ機の重量はかなり軽くなりましたが、中でも最軽量の部類に入るのがMacBook(2017)です。
その重さは、なんと900g台(本体のみの場合)。
性能面ではMacBook AirやMacBook Proに劣りますが、事務作業が出来れば十分という方なら、MacBook(2017)はお勧めです。
私は外出先で文章を書き、ブログのアイキャッチを制作する程度の作業量の時は、MacBookが最適という答えにたどり着きました。
移動時のバッグの重さって、地味に体力を奪っています。また、女性の場合、大きくて「いかにもパソコンバッグです。」という感じのバッグを持つとテンション下がる時もあるので、小さめのバッグにしまえるMacBookはありがたい存在です。
ただし、負荷の大きな作業には向かないので、MacBook AirやMacBook Proをメインマシンとして持っておくことを強くオススメします。
できるだけ長く現役で使えるマシンが欲しい
- デスクトップ型:iMac(27inch,2019)/iMac Pro
- ノートパソコン型:MacBook Pro(13inch,Touch Barあり,2018)/MacBook Pro(15inch,2018)
Macは決して安い買い物ではないので、できるだけ長く使いたいというのが、ユーザーとしての本音。
一般にOSは新しくなるほど要求されるハードウェア性能も上がるので、購入時に性能の高い機種を買っておけば、快適に使える期間も長くなると考えて良いでしょう。
ただし、OSのサポート期間は同世代の低スペック機と変わらない可能性もあるので、その点は注意が必要です。
Boot CampでWindowsも使いたい
現行の全てのMacが対応しているのが、MacでmacOS以外のOSを使えるBoot Camp機能。これを使えば、MacでWindowsを使うことも可能です。
ただ、外付けストレージへのインストールはできない為、使うなら内蔵ストレージの容量を大きめにする必要があります。
具体的には、最低でも256GB、たくさんのアプリをインストールするなら512GB以上のものを選ぶのが良いでしょう。
MacとWindowsを同時に使いたい
- デスクトップ型:iMac(4K・5K)/ iMac Pro /Mac mini(2018)
- ノートパソコン型:MacBook Pro
Boot Campでは常に1つのOSしか起動できませんが、仮想化アプリを使えば、macOSを起動したままWindowsを使うこともできます。
OSの切り替えの度にMacを再起動する必要もないので、作業中にちょっと別OSを使いたい時にも便利です。
ただ、仮想化アプリは複数のOSを同時に起動させる関係上、CPUなど各ハードウェアの性能も、それなりに要求されます。
あまりスペックの低い機種だとストレスを感じることもあるので、MacBook Proなど、ある程度基本性能の高い機種を選ぶ方が安心です。
写真や動画を大きく美しい画面で楽しみたい
- デスクトップ型:iMac(27inch,2019)/ iMac Pro
- ノートパソコン型:MacBook Pro(15inch,2018)
写真や動画をMacで楽しむなら、せっかくなので綺麗な大画面を活用したいところ。
デスクトップ型なら、iMac(27inch,2019)とiMac Proを選べば、27inchの5Kディスプレイで写真も動画もばっちり見ることが出来ます。
ノートパソコン型の場合は、MacBook Proの15inchモデルがおすすめ。Retina解像度の高精細ディスプレイで、外出先でも写真や動画を思う存分堪能できるでしょう。
プログラミングを始めたい
- デスクトップ型:Mac mini(2018)/ iMac(21.5inch,4K,2019)
- ノートパソコン型:MacBook Pro(15inch,2018)
ここ数年、にわかに注目を集めているのがプログラミング。
日本では2020年から小学校でプログラミング教育が必修となりますが、子供だけでなく大人も、プログラミングの知識があれば仕事の幅を大きく拡げることも可能です。
プログラミングを学ぶ場合、基本的には専用のソフトかテキストエディタを使い、参考書で学びながら、ひたすらプログラムのコードを打ち込んでいくことになります。
その為に大事になるのが、ディスプレイ。
あまり小さなディスプレイだと、コードの全体像が見づらく作業もしづらいので、出来れば15inch以上のディスプレイを積んだマシンを使うのがお勧めです。
ノートパソコン型の場合、大画面のMacBook Pro(15inch,2018)がお勧めですが、据え置きで運用することが多いなら、同13inchモデルやMacBook Airと外付けディスプレイという組み合わせも良いでしょう。
どんな使い方をするか分からないから、割と色々出来るMacが欲しい
- デスクトップ型:Mac mini(2018)/ iMac(21.5inch,4K,2019)
- ノートパソコン型:MacBook Pro(13inch,2018)/MacBook Pro(13inch,Touch Barなし,2017)/MacBook Air(2018)
MacどころかPCを買うのも初めてという方の場合、実際問題として、自分がどんな使い方をするか想像が付かないケースも多いと思います。
そんな時は、安いマシン……ではなく、性能も値段も程々のマシンを選ぶ方が、幅広い作業が熟せてお勧めです。
デスクトップ型なら、Mac miniかiMac(21.5inch,4K,2019)がお勧め。この2台なら、ある程度の作業までは快適にできるはずです。
ノートパソコン型の場合は、13inchクラスのマシンがお勧め。
重量の軽さならMacBook Air(2018)ですが、もう少し予算に余裕があれば、MacBook Pro(13inch,2018)やMacBook Pro(13inch,Touch Barなし,2017)も良いと思います。
まとめ
デスクトップ型は割と選びやすいのですが、ノートパソコン型は微妙な位置づけの機種もあり、ちょっと分かりづらいのが正直なところ。
この記事が、みなさんのMac選びの一助になれば幸いです。
以上「2019年のオススメMacの選び方はこれ!ノート型・デスクトップ型どっちを買うべきか迷っているなら、用途別・作業場所別で選ぼう。」でした。
MacBook Proの買い替え時期は?
重めの作業をする方にはMacBook Proが最適なノートパソコンであることは、お伝えした通りです。
しかし、今使っているパソコンから新しいMacBook Proへ乗り換えるべきかどうか、悩んでしまうこともしばしば。
そこで、どんな時にMacBook Proのオススメの買い替え時期をまとめてみました。下記の記事も参考にしてみてくださいね。